ケータイ彼女(シナリオ28)

□人  物

 小枝 花見(こえだはなみ)(16)里中高校2年生
 小枝 岬(こえだみさき)(18)里中高校3年生。花実の姉
 三浦 武(みうらたけし)(18)里中高校3年生。岬の彼氏
 湯浅 新二(ゆあさしんじ)(18)三浦の親友
 その他


〜本編〜

○暗転

○第一総合病院・全景(大雨)

○同・花実病室(個室)
   花実がベッドに寝ている。
   その側で、三浦と岬が話をしている。
   その様子が、寝ている花実の目線で見
   える。
岬「なんで言わなかったのよっ!」
   と、三浦の頬を平手打ち。
三浦「……」
   頭からグッショリと濡れている。うつ
   むいて暗い表情。手に携帯を握り締め
   ている。
   岬、三浦にしがみ付いて泣いている。
花実N「……あたし、死んだンだ……。よく
 聞くもん。自分のお葬式を見たりするンだ
 って」
   岬、泣きながら何度も、三浦を叩く。
花実N「やめて、お姉ちゃん……」
   三浦、なにも言わずに叩かれるのみ。
花実「やめて、お姉ちゃん……」
   岬と、三浦、驚いた表情で花実の方を
   見る。
花実「悪いのはあたしなの……」
   岬と、三浦が寝ている花実に近づく。
岬「花実!?」
三浦「花実ちゃん!?」
花実「……え?」
三浦「お、俺、先生呼んでくる!」
   と、病室を飛び出す。
岬「花実!聞こえる?」
花実「……」
   花実、うつろに目を開けている。
花実「あたし……戻ってる?」
岬「花実!花実!」
   と、泣きながら抱きつく岬。
花実「……」
   と、気付いた表情。
花実「〜〜〜〜っ」
   と、爆発するように泣き出す。
花実「お姉ちゃあん!お姉ちゃん!ごめんな
 さぁいぃ〜!」

○里中高校・全景
   T「数日後……」

○学校裏
   並んで歩いている岬と三浦。
岬「じゃあ、携帯電話が花実の意識を縛って
 いたということ?」
三浦「そう考えるのが一番自然かなぁ。壊れ
 たら戻ったンだし」
   と、花実が廊下を友達と歩いている。
岬「あっ、花実ぃ」
   花実、振り返る。
花実「あっ。お姉ちゃん」
三浦「やぁ。元気そうだ」
花実「三浦先輩……。なんかまだ恥ずかしい
 です。こうやって会うの」
岬「ねぇ。帰りに三浦君の新しい携帯買いに
 行くンだけど、花実もこない?」
花実「え……携帯……。携帯は……しばらく
 いいです……。死にかけたンで……悪いけ
 ど、二人で行ってきていいよ」
三浦「ははっ。なるほど」
岬「そっか。わかったわ。じゃあ、気をつけ
 て帰るのよ」
三浦「じゃあね」
   と、岬と三浦歩いて行く。
   花実、その背中を見ながら
花実「……バイバイ。三浦さん」
   と、笑顔で歩きだす。

終わり

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