正義風 写真小娘(シナリオ4)
 これは、主人公の女の子にモデルがいて、その方の愛らしいキャラクターを、そのままシナリオに登場させてみたものです。
□内容:写真家でちょっと天然の牧野しずく。ちょっとおかしなジャーナリズムで、矢ガモの犯人を捕まえようと奮闘する。


□人  物

 牧野 しずく(21)
  ピューリッツア賞を目指すフリーのカメ
  ラマン。
  趣味は朝風呂で煙草を吸うこと。
  本人いわく、いいから一度やってみなぁっ?
  
 星野 順子(30)
  しずくとは、ルームメイトで大の親友。
  職業はフリーの歌手。
  イベントとかそんなんでよく歌ってる
  しずくの暴走を止めることが主。
  
 編集の人
  まぁ、特に普通
  
 矢ガモ
  しずくのカメラを持ってきてくれる。か
  わいい。
  
 犯人
  悪い人。ものすごーく悪い。

〜本編〜

○しずくの家・お風呂場(朝)
  お湯が浸っている湯船に潜って、口だけ
  出して煙草を吸うしずく
しずく「ふぅー」
  と、くわえたまま器用に煙を吐く
順子「しずくーっ 届いてるよんっ」
  と、お風呂場の入り口をあけて顔を出す
  湯船から顔を出すしずく
順子「・・・また 変な吸い方してるの・・」
  と、呆れ顔
しずく「え?ちょー気持ちいいんだよっコレッ
  いいから一度やってみなぁっ?」
順子「私は煙草をやりませんから それより、
 届いてるよ 結果」
  
○しずくの家・リビング(朝)
  2LDKのマンション。8畳くらいのフロー
  リングの洋間。綺麗に片付いていてソファ
  もある。
しずく「全国写真コンクール・牧野しずく様」
  と、書かれた封筒を持っている。体には
  バスタオル一枚巻いている状態
しずく「ふふふ〜ん♪ついに私の時代がくる
 〜♪おほほのほ〜♪」
  と、言って封筒を開いて中の書類を見る
書類にはあからさまに「星野しずく様、この
 度は全国写真コンクールに応募くださって
 大変ありがとうございました。落選です。
 それではまたのご応募お待ちしております。」
  と書かれている
しずく「ガーーーーーーーンっ!」
  と、落胆の表情。そして巻いているタオ
  ルがバサリと落ちる
順子「あら、落ちた」
  ×  ×  ×  ×
  しずくソファに寝転がってクッションを
  抱いている。服はちゃんと着ている
しずく「あーっまたピューリッツア賞が遠の
 いたー!」
順子「まぁ 道は遠いねぇ・・」
  と、お茶をすする
しずく「いいよなぁっ 順子さんはさ お仕
 事 順調でサっ」
順子「そうだっ 今日は私も休みだから 写
 真撮りに行くの付き合うよっ ついでに外
 でゴハンも食べに行こうっ」
  と、一度両手を叩いて言う
しずく「・・・・おごり?」
  と、クッションから頭を上げて言う
順子「キャッシュな女ね・・・」
  と、怪訝な表情
  
○公園(昼)
  上野公園みたいなところ、大きな池があっ
  て人やホームレスさんが沢山いる
しずく「うんっそう!グーよ グー!」
  と、ベンチに寝ているホームレスをカメ
  ラで撮る。
  ホームレス不思議そうにしずくを見る
順子「・・・ほんとに変わった被写体を選ぶ
 よねぇ・・・」
しずく「この世に美しくないものは無い!真
 実の社会に真実の美しさがあるのさっ」
  と、ホームレス達を撮りまくる
順子「なーに カッコイイこと言ってんだか」
  と、順子 池を見て気づく
順子「ね・・・ねぇ しずくっ アレっ」
  と、順子池のほうを指差しながら、カメ
  ラを撮るしずくの肩を叩く
しずく「えっ なーに?」
  と、順子の指差すほうをみる
  池で泳いでいるカモの群れに一匹胴体に
  矢が刺さったカモがいる
順子「矢ガモよっ 矢ガモ!」
しずく「ええっ うそっ」
  痛いたしく矢が刺さったカモが泳いでい
  る
しずく「ゆるせない!誰があんなことっ
 順子さん 弓を持った人探してっ」
  と、キョロキョロあたりを見回す
順子「いや もういないでしょ それにボウ
 ガンだよ あれは・・・ほんとに天然ね・・
 アンタ・・・」
  と、呆れる順子
順子「しずく あんたに出来ることは写真を
 撮ることでしょっ 撮って編集部に送って
 このことを報道してもらうのよっ!」
しずく「あっ・・・頭いいなぁっ 順子さん!」
  と、気がついた表情で順子を見る
順子「・・・いや 誰だってそう思うから」
しずく「剣はペンより強しですものねーっ」
  と、パシャパシャと矢ガモを写真に撮る
順子「逆だから・・・」
  
○しずくの家・リビング(朝)
  矢ガモの写真が載ってる新聞 その横に
  は「卑劣!また矢ガモ!」
  と書かれている
  その新聞をソファに座って読んでいる順
  子
順子「やったじゃない ほら ちゃーんと乗っ
 てるよっ あんたの写真っ」
  と、しずくに小さい矢ガモの記事を指差
  して見せる
しずく「あっ ほんとだぁ」
  と、歯磨きしながら見る
順子「これで 世間の人にも知れたし いい
 ことしたね しずくっ」
しずく「でもさぁ・・・犯人捕まるかなぁ」
  と、キッチンに向かう。
順子「うーん・・・難しいかもねぇ」
  電話がかかってくる 
電話の呼び出し音「編集部から電話だよっし
 ずくダーッシュっ!ダッシュ!」
順子「出るよー」
  と、順子電話のハンズフリーのボタンを
  押す
編集部の人「あっどーもしずくさんですかー?
  あれから また矢ガモが増えたみたいで
 また 写真お願いできますかー?」
順子「・・・またぁ?」
しずく「ふぁーい!やりむぁーすぅ!」
  と、歯磨きしながらキッチンから叫ぶ
  順子電話の切るボタンを押す
順子「はー・・・嫌な世の中だーねぇ」
  しずく、口をゆすいで水を吐く
しずく「決めたっ 犯人捕まえちゃるっ」
  
○公園(夜)
しずく「ふふふ・・・夜に撮りにくるとは・・・
 まさか犯人も寝耳に水だろうねぇ」
  と、首から望遠付カメラをかけ、笑う
順子「いや 意味わかんないから」
  と、首から懐中電灯を下げて、周りを見
  ながら言う
順子「・・・にしても・・夜の公園って・・」
  二人のまわりに黒い森林が覆う
順子「なーんでこんなにカップルが多いのか
 しらねぇ・・・」
  と、まわりの茂みでカップル達が影に隠
  れてモゴモゴとHなことをしている
順子「この中を そんなでっかいカメラ持っ
 てたら・・・・ねぇ?」
  と、でかいカメラを持ったしずくを見る
  順子
しずく「よしっ 犯人を激写するわよっ!」
  と、どんどん茂みに入っていく
順子「あ、ちょっと・・・しずくっ」
  と、順子 しずくを追う
  茂みに屈んで望遠カメラでキョロキョロ
  と犯人を捜すしずく
しずく「うーん・・・・いないぞぉ・・・犯
 罪者」
  その横に順子も屈んでいる
順子「ねぇ やばいよ しずく・・こっちが
 変質者だよ これじゃあ・・・ってうわ・・」
  と、近くの茂みにいるカップルを見る
順子「う・・うわっ ちょ・・ちょっとしず
 く すごいよっ 見てみなっ わぁ・・」
  と、見ながらしずくを手で呼ぶ
しずく「・・・ん?あれは・・」
  と、遠くの茂みに動く怪しい人影を見つ
  ける
順子「えっ・・やだ・・ちょっと・・えぇ!?」
  と、カップルに釘付けになる順子を置い
  て、怪しい人影を追っていくしずく。
  ×  ×  ×  ×
  茂みの影からボウガンを向けてカモを狙
  う犯人
犯人「へへ・・これは警告だぜェ・・・」
  と、にやりと笑う
  その犯人にフラッシュの光がパシャパシャ
  と当たる
しずく「うんっそう!グーよ グー!」
  と、犯人の目の前まで来ながらカメラを
  撮る
犯人「なっ・・なんだぁっ!」
  と、驚いてしずくを見る
しずく「あ・・フラッシュ焚いちゃった・・・」
犯人「て、てめぇっ!何撮ってんだっ!よこ
 せっ!」
  と、しずくに近づく犯人
しずく「逃げるがWIN!」
  と、逃げようとする
犯人「動くなっ!撃ち殺すぞっ!」
  と、しずくにボウガンを向ける
  しずく立ち止まって、振り返る
しずく「・・・暴力反対・・各論賛成」
  と、いって手を上げる
犯人「カメラよこせっ」
  と、しずくの首に掛かったカメラを取ろ
  うと手を伸ばす
しずく「いーやだっ!」
  と、体をひねって避ける
しずく「だってこれおばあちゃんに買っても
 らったんだもんっ」
犯人「いや そういう問題じゃなくて・・・
 いいからよこせっ」
  と、手を伸ばす犯人
しずく「こうなったら・・・」
  と、にやりと笑う
犯人「・・・なに?」
  と、緊張する犯人
しずく「一杯撮ってやるっ!エイッ エイッ
 エイッ」
  と、パシャパシャ犯人をフラッシュで取
  りまくる
犯人「うわぁ〜っ」
  と、腕で顔を覆って嫌がる
犯人「って うるせェ!」
  と、しずくのカメラを奪う犯人
しずく「あっ!」
犯人「動くなよ・・・ドンっといくぜ・・」
  と、しずくにボウガンを向ける犯人
しずく「カメラ返せ!悪者ぉ!」
犯人「まぁ・・なんだ あんたちょっと可愛
 いから殺さないでおくけど カメラはダメ
 だ
 これは池にドボンさせてもらうぜっ」
  と、カメラのベルトを持って池に向ける
  犯人
しずく「壊れちゃうよっ返して!」
  と、犯人のカメラに手を出す
犯人「オラよっ!」
  と、カメラを池に投げる
しずく「あぁっ!」
  と、よつんばにつんのめりながら池を見
  る
犯人「じゃあーなっ!」
  と、走って逃げていなくなる
  足を崩して座り池を眺めるしずく
しずく「酷いヨ・・・投げるなんて・・・
 どうしょう・・おばあちゃぁん・・・」
  と、顔に手を覆って泣く
  バシャっと音がする
しずく「・・・?」
  と、その音の方を見ると矢ガモが池から
  あがってきている
  その首にはちょうどカメラがぶら下がっ
  ている
しずく「矢ガモさんっ!!」
  ×  ×  ×  ×
順子「おーい・・・しずく〜?どこだー?」
  と、懐中電灯をかざしながら歩く
順子「あー・・・ノゾキに夢中になってしず
 く見失ったぞ・・・」
しずく「エーンエン・・」
  と、しずくの泣き声が聞こえる
順子「し・・しずく?」
  と、その声の方に行き懐中電灯を当てる
  カメラを首に下げた矢ガモを抱いて座り、
  泣いているしずくが照らされる
しずく「じゅんくぉすぁ〜ん・・・」
  と、髪の毛がぐちゃぐちゃになって、顔
  も涙でぐちゃぐちゃになったしずくが順
  子を見る。
順子「・・・うわぁ・・ブサイク・・」
  ×  ×  ×  ×  ×
○しずくの家・リビング(朝)
  「矢ガモ 犯人捕まる!決め手はカメラ
  マンの激写!」
  と、書かれた新聞記事。
  その横に激写された犯人の驚いて顔を腕
  で隠そうとしている写真が大きく載って
  いる
  その下に「次はカップルを撃つ気だった
  !」と書かれている
  その新聞を読んでいる順子
順子「一面トップ!やったじゃないのっ!し
 ずくっ」
  お風呂上りで、バスタオル一枚巻いた状
  態で、頭をタオルで拭きながら、しずく
  部屋に入ってくる
しずく「えへへ〜っ 矢ガモさんのおかげだ
 よっ」
  と、ピースをする
順子「偶然 矢ガモの首にカメラが掛からな
 かったら今頃この写真は海の底ってわけだ
 ね〜・・・奇跡だねっ」
  と、新聞を広げて眺める
しずく「矢ガモさんも二匹とも無事保護され
 て、元気になったからねっ!」
順子「カモの恩返しってところだーねっ」
  と、新聞を広げながらしずくに笑って言
  う
しずく「そうカモねぇっ! ・・・なんちっ
 て・・・」
  と、笑うしずく
順子「・・・・・」
  ものすごい寒い表情
  しずくの体に巻いているバスタオルがバ
  サリと落ちる
順子「あ・・・落ちた」
落ちた新聞紙に小さく「勇気ある女性カメラ
 マン!とその相棒!」と書かれた記事の写
 真に首からカメラを下げた矢ガモとボロボ
 ロのしずくが写っている


終わり


BBS

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