波乗り宇宙(シナリオ8)
 「宇宙で海の話を描きたい」と思って、描き出したもの。当初はロボット物を考えていたのですが、つまんないのでサーフィンにしましたよ。
□内容:主人公のアースの住むコロニーに今年もまた「宇宙雲海」がやってきた。アースは心寄せるトモコにモテくてサーフィンに挑戦する。


□人  物

 アース(19)主人公。「宇宙雲海」を研究する大学生。
 トモコ(19)アースが心寄せる女の子。今時のギャル。
 アキコ(20)セクシーな人。


〜本編〜

○宇宙コロニー
  宇宙に大きなコロニーがある。
  
○大学
  大きな大学の全貌
  
○同・食堂
  大きな食堂。賑わっている。大きなテレ
  ビが壁にかかっている。
  食堂で本を読んでいるアース。
  本の題名――「宇宙雲海概論」
  そこへトモコやってくる。
トモコ「アース」
アース「(顔を赤くして)あっ、ト……トモ
 コちゃん!」
トモコ「勉強?チョー勉強中?」
アース「あ、あぁ。『宇宙雲海概論』のね」
トモコ「やっぱァ、アースはマジチョー真面
 目系だぉ。中学の時からスゴイぽ」
アース「普通だよっ!あは!」
TVの声「今年も『宇宙雲海』の接近が確認さ
 れ『雲海フェスタ』の準備が始められてい
 ます。雲海浴や雲海サーフィンなどが予定
 されているようです。また、同時期に『雲
 海彗星』も確認され今年のフェスタ開催を
 危惧する声も……」
トモコ「ウチ『雲海サーフィン』見に行くん
 だお!ついでに雲海浴もするぽ!」
アース「雲海浴かぁ……」
トモコ「アースもサーフィンしたらいいぽ!」
アース「まぁ『宇宙雲海』未知な部分が多い
 し、危険性があるにはあるからねぇ」
トモコ「いかないぽ?」
アース「巨大生物の生息も危ぶまれてるから
 ね……それに『雲海彗星』も近いし……」
トモコ「大丈夫だお。アタシはカッコいいサー
 ファーとの出会いがほしいお」
  と、チャイムが鳴る。
トモコ「あぁ、もう行くぽ。またのん!」
  と、その場を去る。
  アース、その姿を見て考え込む。
アース「トモコちゃん、サーファーが好きな
 のか……」
  
○コロニー雲海フェスタ会場
  大きな窓から宇宙雲海をサーフィンする
  人を見ている観客たち。
  トモコ、同じく楽しそうに見ている。
  そこへ、アース来る。小脇にサーフボー
  ド。
トモコ「(気がついて)もしかして出るぽ?」
アース「う、うん。研究の一環として」
トモコ「スゴイも!サーフィンできるちゃ?」
アース「ほ、本当は『彗星雲海』に乗ってみ
 たいんだけどね!」
トモコ「(笑って)彗星は無理ぽ!雲海より
 全然すごいぽよにこぷんっ」
アース「(笑って)まぁね」
トモコ「アタシもそろそろ行くもらン」
アース「う、うん!行こう」
  
○宇宙雲海・サーフィン会場(宇宙)
  多くのサーファーが楽しんでいる。中に
  はスゴイ乗り方をしている人もいる。
  宇宙服を着てそれを見ているアースとト
  モコ。
  アース、圧倒されている。
トモコ「さっ、アースのサーフ見せてほしも
 ちょむ!」
アース「え?あ、うん……」
  と、ビビリながら雲海へといく。
  カッコよくサーフィンする人の中で挙動
  不審に周りを見るアース。そしてトモコ
  を見ると、期待している表情で見ている。
アース「……よ、よし!よしよし!よーしよ
 し!」
  と、パドリングをはじめる。
  雲海の波が背後から迫り、アースはその
  波あわせてボードに立とうとする。
アース「うわぁっ!」
  と、バランスを崩してひっくり返る。
  すぐに水面に顔を出して
アース「はぁはぁっ!本で読んだのとチガウ
 よ!憤慨だよ!はぁはぁっ!」
  と、トモコを見るとトモコはイケメンに
  ナンパされて楽しそうにしている。
アース「……」
  がっかりとうなだれるアース。
声「ゴォォォォ……」
  と、声とともに水面が揺れる。
アース「えっ!?」
  大きな化け物が雲海の中から顔を出す。
  驚く人々。
アース「トっ、トモコちゃん!」
  と、トモコを助けに雲海を泳ぐが、トモ
  コは一緒にいたイケメンに抱えられて避
  難していく。トモコ、顔を赤くしてイケ
  メンを見つめている。
アース「……」
  と、呆然としていると怪物の尾っぽが近
  くに落ちて、宇宙に飛ばされる。
アース「おわぁ!」
  宇宙へと飛んでいくアース。
  
○宇宙空間
  飛ばされるアース。そばにはサーフボー
  ド。
  どんどん、宇宙雲海は遠くなっていく。
アース「……もっ、戻らないと!」
  手元のスイッチを押して噴射させる。
アース「だっ、だめだ!ヘッポコすぎる」
  と、噴射がフェードアウトするようにと
  まる。
アース「あ、壊れた」
  飛んでいくアース。
  視界にはもう宇宙雲海は見えなくなって
  いる。
アース「マジか……」
  呆然と宙を見つめるアース。
アース「……これまでか……俺がいなくなっ
 らトモコちゃん、泣いてくれるかなぁ……」
  
○フラッシュ
  イケメンに後ろから胸を揉まれて笑顔の
  トモコ。
  
○宇宙空間
アース「……だろうね」
  と、涙をちょちょ切らせる。
アース「……正直、殴りたい気分ではあるね」
  と、背後で轟音が響く。
アース「(振り向いて)!!!」
  
○宇宙雲海・サーフィン会場(宇宙)
  怪獣が暴れて、我先にと逃げる人々。
  トモコを抱えたイケメン。それに目をつ
  ける怪物。
トモコ「ねぇっ!こっち見てるおちょちょ!」
イケメン「あぁ!?」
  怪物は大きな口をあけてトモコ達に襲い
  掛かる。
イケメン「ヒィィィイイィイ!」
  と、トモコをぶん投げて逃げる。
トモコ「あっ!待っておちょっぺ!」
  取り残されたトモコを怪物が襲い掛かる。
トモコ「ウギャァァアアア!」
逃げる人A「(宙を指して)あっ!あれはな
 んだ!?」
  怪物とトモコ、その方向を見る。
逃げる人B「す、彗星雲海だ!」
逃げる人C「っていうか人がいない!?」
アース「うぉぉぉぉおおおおお!」
  と、アースが彗星雲海の先端に波乗りし
  て突っ込んでくる。
トモコ「チョースゴイおーがす!」
アース「うぉぉおぉおおおお!くらえー!!」
  アースがそのまま、彗星雲海を怪物にぶ
  つける。
怪物「うぎゃおおおぉおぉぉぉおおン!!」
  と、怪物は雲海に沈んでいく。
  アースがボードを小脇にトモコの目の前
  に下りてくる。顔は見えない。
トモコ「もしかして、アースぽちょむきん?」
アース「(顔が見える)ごめん、俺」
  と、苦笑いでいう。
トモコ「チョーカッコよかったぽなぺっと!」
  と、アースに抱きつく。
  まわりから歓声が上がる。
  少し照れながら、トモコを抱き寄せるアー
  ス。
  
○コロニー全貌
アースナレーション「あれから数日が経ち…
 …」
  
  アースとアキコが楽しそうに札束の風呂
  に入っている。
アース「あははっ!」
アキコ「アース君ってスケベ」
アースナレーション「こんな僕でしたが、今
 では大金持ちに!さらに念願の彼女もGET!
 それになぜが身長も7cmも伸びました!こ
 れもなにもかも『宇宙雲海パワー』のおか
 げです!ありがとうございました!」


終わり


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