GIRL AND ONE ARM(シナリオ1)
 僕の処女作です。シナリオの書き方が良く分からず、勉強しながら描いたことを良く覚えています。
□内容:凄腕雇われハンター、片腕のレール。そんな彼に意外なパートナーが着く事になった。デコボココンビの織り成すファンタジックコメディー


□人  物

 レール=ブロンソン(29)
 リリア=ホワイト(15)
 ボス
 不良A
 不良B
 麻薬男
 男A
 男B
 男C


〜本編〜

○砂漠のハイウェイ
  砂漠を走るバス。バス以外は走っていな
  い
  
○バスの中 
  座席は、ほぼ満員。10人ほど立っている
  レール・ブロンソン(29)が座席を倒し
  て本を顔に乗せて寝ている
リリア「ちょっと何するんですか!?」
  と、リリアの声が聞こえてくる
  バスの後ろで不良3人に集られているリ
  リア。
不良A「何?何ってこのこと?」
  と、不良Aリリアの胸を鷲づかみにする
リリア「やめてよ!」
  と、リリア不良Aを突き飛ばす
不良A「お・・・」
  と、その拍子に不良Aレールの席にぶつ
  かる
  レールの顔に乗せた本がバサリと落ちる
  レール目だけを開ける
レール「・・・・・」
不良A「うひひ・・・」
  不良A、リリアに詰め寄る。
  他の乗客彼らに恐れて見てみぬフリ。
レール「・・・おーい・・そのハゲ」
  不良Aとまって振り返る
不良A「あん?」
  と、レールを睨み付ける。
  レール、振り向かず、人差し指だけをク
  イクイっとさせて
レール「ちょっとこい」
  不良A顔をレールに近づけ睨みつける
不良A「んだぁ?おめぇ?あぁ?」
  間髪入れずに、不良Aの顔に裏拳を入れ
  るレール。
不良A「んごごちゃ!」
  と、鼻血の出た鼻を抑える不良A
  その頭を持って全開の窓から不良Aを外
  に放り投げるレール。
不良A「ぎゃーぁぁ・・・」
  唖然とする乗客とリリアと残りの不良達
  レール、また指だけ動かして
レール「・・・残りもの・・来い」
不良B「んだよ!おめぇ!!」
  レールに飛び掛る不良達
  
○砂漠 
  走るバスの窓から次々と投げ落とされる
  不良達
  「むらきゃー!!!」」
不良C「のきゃーん!」
  
○バスの中
  乗客から拍手と歓声が響く。
  レール呆れた表情で落ちた本を拾おうと
  する
  その本をリリアが拾い
リリア「はい」
  と、レールに差し出す
  レール、少し間をおいてからそれを受け
  取る
  
○砂漠の町 チアチア バス停留所前
  バスが停留所から発進すると、レールと
  リリアだけが停留所を降りている
  リリアレールを向いて
リリア「さっきは・・・」
  レール、煙草に火をつけて歩き出す
  リリア、レールを早足で追う
リリア「さっきは、ありがとうございました!」
  レール、リリアを向かずに
レール「・・・あぁ」
リリア「ここへは、旅行で来たんですか?」
レール「・・・・・」
  と、遠くを見つめるレール
  
○レール回想 ボスの部屋
  高級そうな置物やら動物の剥製などが置
  いてある。その前の机に大きな皮の椅子
  にボスが座っている
机に「ハンター協会ボス」と書かれている
  ボスがバッチを磨きながら葉巻を銜えて
  いる
ボス「レールちゃん・・・あんたの腕は認め
 るケド・・・まったくもってダメダメだと
 思うわけ・・・」
  ボスの前に立つレール
レール「・・・・」
ボス「それはなんでか分かるかしら?」
  レール頭をかいて
レール「・・・・」
  ボス手を止めて、顔を強張らせて凄む
ボス「すぐにぶっ殺しちまうからだよ!」
  少し、態勢を反らすレール
ボス「強盗団を殺すわ!マフィアを組織ごと
 潰すわ!」
レール「・・・・」
  と、レール頭をかく
ボス「あのね。レールちゃん。あちきたちは
 依頼主の意向に沿ってこその商売なのよ。
 それなのにアンタちゃんときたら・・・」
レール「やっぱ・・・お払い箱スかね・・?」
  ボス、座りなおしてバッジを磨きはじめ
  る
ボス「まぁ、そう行きたいところだけど、チャ
 ンスをあげるわ。」
  意外な表情のレール
ボス「一件依頼をやって頂戴。・・と、言っ
 てもアレよ。今回はアンタちゃんにパート
 ナーをつけるわ」
レール「パートナー・・・」
ボス「アンタちゃん一人じゃあ、絶対暴走す
 るでしょ」
  ボス立ち上がってレールを指差す
ボス「いい!?コレが最期のチャンスよ!」
  ×  ×  ×  ×  ×
  回想あける
  
○街の街道 
  ひと気は少ない
  煙草をふかして歩いているレールの頭の
  中にボスの声が響く
ボス「いい!?『ルーズカフェ』でパートナー
 と落ち合いなさい!今度こそ成功させるの
 よ!」
レール「・・・めんどくせぇ!」
  と、呟くレール
  レール、後ろからついてくるリリアに気
  づく。
  振り返って
レール「・・・ついてくんなよ・・・」
  リリア両手を前で振って
リリア「そんなンじゃあないンです!アタシ
 もコッチなんです」
  と、笑って言う。
レール「あ、そう」
  と、興味なさげにいう。
  レールが道を曲がる。するとリリアも同
  じく道を曲がる。
リリア「熱くないですか?こんなところでそ
 んなコート?」
  と、後ろから声をかけるリリア
  レールうんざりした表情をして、振り返
  る
レール「・・・ついてくンなって。邪魔。」
  リリア道の向こうを指差して
リリア「だから、方向が同じなんですよ」
  と、笑顔で返す
  レール、疑いの表情でリリアを見て
レール「・・・・・」
  と、そのまま横の小道に入る。
リリア「あ・・・」
  と、止まって小道を見つめるリリア
  レール、早足で歩きながら後ろを見て
レール「・・・ったくガキに懐かれてたまる
 かよ・・・」
  ×  ×  ×  ×  ×
○ルーズカフェ前 
  ひと気は少ないが商店が立ち並んでいる
  カフェの前でレール人と話している
  レール振り向いてカフェを見る
レール「・・・目の前かよ・・・」
  
○ルーズカフェ 店内
  客は2、3人ほどいる
  カウンターでコップを拭いている主人。
主人「いらっしゃい」
  レール、歩きながら懐中時計を見て
レール「ったく・・・あのガキのせいでエラ
 イ遠周りしちまった・・」
  と、レールの前の席に座ってジュースを
  飲んでいるリリアと目が合う。
  レールの銜えてる煙草の灰が落ちる
リリア「あ!さっきの・・・」
  レール、コートを脱ぎながら向きを変え
  てカウンターに座る
  レールの欠損している腕が見える
リリア「あ・・片腕・・・」
  レール、うざったそうな表情で、新しく
  煙草を銜える
リリア「もしかして、あなたがパートナーの
 レール・ブロンソンさん?」
  レール、その言葉に一瞬止まる。そして
  リリアの方に振り返る
リリア「あぁ、やっぱりそうなんですね!」
  と、手を叩くリリア
  
○ルーズカフェ外
  勢い良く戸を開く音と共にレールが早足
  でコートを着ながら出てくる。
リリア「ちょっと待ってくださいよ!レール
 さん!」
  それを追ってリリアも飛び出してくる。
  レール振り返らずに
レール「ったく、あのオカマ野郎・・・なに
 考えてんだ・・!」
  と、独り言を呟く。
  リリアがレールの前に走って滑り込む。
リリア「あたし、リリアです!リリア・ホワ
 イトです!どうぞよろしく!」
レール「あ、どーも初めまして。では、さよ
 うなら。」
  と、いってリリアの横を通り過ぎようと
  する。
「ガチャリ」
  と、音がしてレール不思議そうな表情
  そして、腕を見てみるレール。
  妙な腕輪がはめられている。
リリア「お近づきのしるしです!どうぞ!」
  と、笑顔で言うリリア
  レール腕輪をリリアに見せて
レール「なんだよ?コレ・・・」
リリア「まぁまぁ・・・それで今回の案件な
 んですけど・・・」
  と、カバンをあさるリリア
  レール、リリアの手から書類を奪う
リリア「あ・・・」
  レール、振り向きながら
レール「俺、一人でやる。お前、帰れ」
  と、いって背中を見せて歩き出す
リリア「え?あ、ちょっと・・・」
  一人取り残されるリリア。
  
○レール回想
  笑顔でレールを見つめる謎の女性
  レールの傷ついた右腕に捕まり、今にも
  ビルから落ちそうになっている謎の女性
  レールなにか叫ぶ
  謎の女性ニコッと寂しげに笑い自ら手を
  離す。
  謎の女性落ちていく。
  
○回想終わり
  
○ジャズ喫茶 夜
  ジャズバンドが演奏している。客は5割
  ほど入っていて店自体は小さめ。
  そのカウンターでレールがグラスを置い
  て座っている
  寂しげな表情のレール
  灰皿に煙草の先を置いた状態でレール煙
  草を持っている。その長くなった灰の部
  分がボロっと崩れて落ちる
レール「・・・・」
  すると、レールの手が勝手に煙草を灰皿
  に押し付けて火を消す
レール「・・・・?」
  今度はヒラヒラとレールの腕が宙を仰ぐ。
レール「?」
  と、それを見て、不思議そうに眉を歪め
  るレール
  腕がクルっと向きを変えてある方角を指
  差す
  その先を見ると、リリアが笑顔で立って
  いる
リリア「感度は良好ですね」
  レールの腕が下がる
レール「おい、なんだよ。こりゃぁ。」
  リリア、レールの横に座って
リリア「その腕輪をつけていれば私の力で操
 れるんですよ。」
レール「取れよ」
リリア「だってそれが私の役目なんですもの」
レール「・・・はぁ・・」
  っと、ため息をついて席を立ち上がる
  すると、レールの腕が勝手に動いて店の
  奥で女をはべらして、仲間と座っている
  麻薬男を指差す。
リリア「あの男が今回の案件です。この界隈
 を拠点とする麻薬のブローカーです。」
  レール、自分の腕を見つめる
リリア「内容は簡単です。あの男を生きて捕
 まえることです。」
レール「そしたら、お前から解放されるんだ
 な・・・」
  と、リリアを見てニヤリとする
リリア「え?ちょっとレールさん?」
  レール、麻薬男の前にいってしまう
レール「よぉ・・」
  と、麻薬男の前に立つレール
  麻薬男、怪訝な表情で
麻薬男「あ?なんだ?てめーわ?」
  その瞬間に、麻薬男を蹴り飛ばすレール。
  騒然とする店内で、麻薬男に近寄ってい
  くレールを見つめるリリア
  リリア驚きの表情で
リリア「・・・はやっ」
  レール麻薬男の胸倉をつかんで
レール「殺すぞ?」
麻薬男「・・・おまえがな・・」
  と、ニヤっと笑う
  レールの背後から麻薬男の仲間が近寄る
リリア「あ!後ろ!」
  後ろから何かで攻撃されるが、それを簡
  単に避けるレール。
  その場から飛んで離れて構えるレール
  しかし、その頬から血が流れることに気
  がつくレール。
  麻薬男の仲間達がすでに剣を抜いてレー
  ルを睨んでいる。
レール「おもしれぇ・・・」
  と、下で頬を流れる血をなめてニヤリと
  する
  そして、肩にかけた剣に手を掛けようと
  する
  と、その手が急に動きを止める
レール「!?」
  自分の腕を見て驚くレール
  リリアを見ると、リリアが手を前に出し
  て、強い眼差しでレールを見ながら首を
  横に振る。
レール「・・・あのバカ!」
  レールの目の前に仲間Aの剣が来る。
  寸前のところで避けるレール
  しかし、仲間Bの蹴りをくらい壁に叩き
  つけられる
レール「ぐ・・・」
  麻薬男が壁にもたれかかるレールの前に
  来る
麻薬男「よくわからんが、死にな・・」
  そう言いながら、レールに銃を向ける
  遠くからパトカーのサイレンが聞こえる
  麻薬男、サイレンの方を向いて
麻薬男「ちっ」
  と、慌てて店を仲間と一緒に出て行く
  壁にうつむいてもたれるレールのところ
  に、ハンカチを持ってしゃがみこむリリ
  ア
リリア「大丈夫ですか!?レールさん!」
レール「・・・なんで止めた」
  と、うつむきながらつぶやくレール
リリア「・・・だって、殺しちゃうじゃない
 ですか。レールさん」
  レール、リリアを睨んで
レール「雑魚は殺してもいいだろーが!」
リリア「そんな簡単に人を殺しちゃダメです!」
  レール、一瞬止まる。そして大きくため
  息をついて立ち上がる
  リリア、レールを見上げて
リリア「今夜3時にダウンビルの屋上でブツ
 の受け渡しに奴等は現れます。そこで捕ま
 えるべきです」
レール「・・・俺、一人でやる」
  リリア立ち上がって
リリア「なに、言ってるんですか!」
レール「ガキは黙ってろって言ってんだ!」
  リリア、ビクっとする
  レール、リリアに腕輪をみせて
レール「それから、今度この腕を動かして見
 ろ。そん時は蹴り殺す・・!」
  と、いって店を出て行くレール。
  リリア、そのレールを見つめる
  
○ダウンビル 裏口 夜
  ビルの裏口の屋上へと続く階段
  ひと気はまったく無く、街頭だけが点い
  ている。
  その階段を上がっていく麻薬男達
  それを近くの建物の影から見つめるレー
  ル
レール「一人で十分なんだよ・・・ったく・・」
  麻薬男達屋上の入り口をあけて入ってい
  く
  レール、建物の影から出て階段をあがっ
  ていく
  道の向こうから歩いてくる昼間の不良達
  ケガをして包帯とかしている
  不良Bが階段を上っていくレールを指を
  さして不良Aの袖をつかむ
不良B「おい!あいつ!」
不良A「あ!昼間の!」
  
○ダウンタウンビル 屋上
  殺風景な屋上。
  麻薬男達と受取人がバックを交換してい
  る。
  それを入り口の影から見つめるレール
  受取人が帰ろうと後ろを向くと、その背
  中を銃で撃つ麻薬男
麻薬男「・・・ボロいね・・」
  と、いって倒れる受取人のバックを取る
  その視線の先にレールの足が写る
  麻薬男視線を上げる
レール「よぉ!」
  と、レールが麻薬男の目の前に立ってい
  る
  そのまま、麻薬男を蹴り飛ばすレール。
レール「よく、蹴られるね。お前」
  倒れながらレールを見る麻薬男。
麻薬男「て、てめぇはさっきの!?」
レール「とっ捕まえるのが商売でね」
麻薬男「雇われか・・・!」
仲間A「オラァー!」
  と、レールに剣を抜いて向かってくる仲
  間達。
レール「死ぬなよぉ・・・」
  と、ニヤリと笑うレール
  ドカバキズゴ!
  と、撃音がするとレールの周りに仲間達
  が倒れこんでいる
  それを倒れながら見てビビる麻薬男
麻薬男「・・・馬鹿な・・・」
  瞬時に麻薬男の胸に足を置いて、喉の寸
  前で剣を止めるレール
レール「死にたくないよな?」
  と、首をかしげる
リリア「お見事!やればできるじゃないです
 か!」
  と、後ろから拍手をするリリア
レール「・・・見てたのか・・・」
  と、呆れた表情でリリアを見ていうレー
  ル。
  うんうんっと、笑顔でうなずくリリア。
レール「はぁ・・」
  と、うつむいてため息をつくレール
リリア「あっ!!」
  その声に、顔を上げるレール
  リリアが仲間Cに羽交い絞めにされて剣
  を顔に突きたてられている
仲間C「そいつを離せ・・この女殺すぞ!」
  レール、舌打ちをして麻薬男から足を離
  す
麻薬男「・・へへっ」
  と、笑いながら仲間Cのところへ走る
仲間C「動くな・・・動くなよ・・」
  と、って麻薬男が来た途端に、リリアを
  突き飛ばして屋上の出入り口へと走る
  それをすぐに走って追おうとするレール
  飛ばされたリリアがビルから落ちそうに
  なる
リリア「あっ!!」
  それに気づいてリリアを見るレール
レール「!」
  レールの腕がグイっと屋上の出入り口を
  指す
レール「!?」
  レール、リリアを見ると、落ち行くリリ
  アが笑ってうなずいている。
  レールの脳裏に謎の女性が落ちるシーン
  が浮かぶ。
  レールの銜え煙草が宙を舞う
  リリアの手をレールが掴んでいる
  リリア驚いてレールを見上げる
レール「・・・・」
  レール、リリアの下に中階層があること
  に気がつく。
レール「・・・マジかよ・・・」
リリア「だから、行ってって言ったのに・・・」
  ガックリうなだれるレール
  すると、階段の奥で
麻薬男「う、うわ!あ!ぎゃー!!」
  と、いう声と共に転がり落ちる音がした
リリア「早く、引き上げて!早く!」
  ×  ×  ×  ×  ×
  レール達が階段を降りてみると、階段の
  下で不良達と、麻薬男達が折り重なるよ
  うに倒れていた。
不良A「急に・・・ぶつかってきた・・・」
  と、目を回している。
レール「・・・・・」
  と、唖然とするレール
  そのレールを見てニッコリ笑うリリア
  そのリリアを見て、やれやれといった表
  情のレール。
  ×  ×  ×  ×  ×
○砂漠を走るバスの中
  包帯を巻いて、ボコボコになった麻薬男
  が下をうつむいて座っている
  その横に座るリリア。その前の席で座席
  を倒して本を顔において寝ているレール。
  他に客は居ない。
リリア「なんだかんだで、上手くいきました
 ね!」
  と、レールの席に手を置いて笑顔で言う
レール「・・・あぁ」
リリア「また!次も頑張りましょうね!」
  レール、沈黙している
レール「・・・・マジかよ」


  終わり


BBS

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